加藤ヒロ 公式サイト

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2019.08.14

バチェラーガール

台風10号の影響か、、関東地方の大気はとても不安定。

僕はいつもより少しゆっくり目に支度をして、バスに乗って籠り場へと向かう。

お盆休みの真っ只中、バスは比較的空いているので、珍しく座席に座れた。

携帯画面に集中し10分ほど過ぎた頃に顔を上げると、窓の外はいつ間にか黒い雲が空を覆い、雨が降り出していた。

雨足は見る見るうちにその強さを増していく。

さらにその10分後、目的地に到着してもその雨足が弱まる気配はない。

雨傘兼用の日傘を持っていたので、それをさせば頭から濡れることはないが、この雨足だとあっという間に足元がビショビショになってしまう。

僕は人一倍、足が濡れることを嫌がる人間だ。

それに、今日の靴は布製で雨は簡単に靴下まで濡らしてしまうに違いない。

籠り場までは歩いて5分もかからないが、急ぐ理由もないのでレンガの建物の屋根の下で少し雨宿りすることにした。


立ちすくんで雨を見つめていると、その雨足はさらに強くなっていく。

バケツをひっくり返したとまでは行かないが、大きなコップくらいはひっくり返した感じだ。

これは、、、バチェラーガールだな。

心の中でつぶやく。

「雨は壊れたピアノさ 心は乱れたメロディー♪」

稲垣潤一が歌った1985年のナンバー。作詞:松本隆、作曲:大瀧詠一というゴールデンコンビ。

大滝さん自身でも歌っているけど、僕が聴いていたのは稲垣潤一の「REALISTIC」という6枚目のオリジナルアルバムに収録されていたこの曲。

バチェラーと言えば、馴染みがあるのは僕もアメリカ時代に友人とか先輩が結婚する際に招かれたこともある「バチェラーパーティー」。

独身最後の夜を気心の知れた仲間とドンチャン騒ぎをする。

バチェラーは元々は独身貴族的な意味合いで男性に使われる言葉。

だけど、この曲の中ではタイトル通り自分を振って去っていく強い独身の女性を「バチェラーガール」と呼んで、土砂降りの中で一人取り残されて佇む男の切なさを歌ってる。

舗道を叩く強い雨が、修復できなくなった二人の関係や心情を如実に表しているね。

僕は、別に誰かに振られたわけじゃないけど、こんな土砂降りに一人佇んでいると、、気分的にはもう僕のものではなくなった彼女をマイ・バチェラーガールと呼んで見送る主人公になった気分だ。。。

。。。なんてこと考えていたら突然雨は小降りになり、そのわずか30秒後には太陽が顔を覗かせる。

太陽の日差しとともに、木陰に身を潜めていたセミが一斉に鳴き始める。

一気に気温も上昇し、空は夏色に様変わり。

舗道にできた水たまりは、太陽の光に熱せられ蒸発を始める。

その水蒸気が湿度を上げ、人々の不快指数を上げる。

なんだなんだ、、ここは本当に、、日本なのか??

これは、東南アジアか、グアムとかサイパンとか、、、熱帯雨林の気候だぞ。

僕の頭の中の「バチェラーガール」は、一瞬にして「シーズン・イン・ザ・サン」に変わってしまったわ!





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