加藤ヒロ 公式サイト

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2018.07.29

キンチョーの夏

台風到来の前夜、カウントダウンが終わると同時に静まり帰った港町のはるか頭上の闇の中に、一瞬にして鮮烈な光の大輪が花開く。

響き渡る爆裂音は、まるで大きな大砲を遥か海上目掛けて発砲したように耳を劈き、間髪入れず三方を取り囲む山々に木霊して、風圧と共にお腹の中にまで入りこんできた。

色取り取りの大輪が花開くたびに、かすかな波に揺らいでいる海面がその大輪の光の色で照らされ、一瞬淡く浮かび上がった姿はまるで幻想的な写し絵のよう。

でも、その大輪はせいぜい1〜2秒だけ煌めいては、その煌めきの残像を暗い夜空に残したまま消え去る。

夏の花火の魅力は、その光の華々しさ、心まで揺らすような爆裂音、そして、光の残像にその儚さを物語ること。

やっぱり生で見る花火はすごいなあ。

ヤクルト×阪神戦が行われている神宮球場でも5回の裏終了時に300発の花火が打ち上げられていたけど、、映像だけじゃ、中々伝わらないものがある。


僕が記憶している生まれて初めてみた花火は、幼少期に大きな河原で行われた花火大会に出かけた時のこと。

眠い目をこすりながら、花火大会が何であるかを理解しないまま会場まで行き、眠い眠いと駄々をこねながら寝そべって見上げた夜空に、何の前触れもなく夜空に開いた光の大輪。。

その圧倒的な迫力に、、寝そべりながらも、思わず後ずさりしたのをよく覚えている。

きっと、、ワンちゃんも同じかもしれないと思ったけど、、夜空に広がる花火を目にすることなく爆裂音だけを耳にしたワンちゃんは、恐怖でビクビク怯えることになってしまう。

まるで、カミナリ。

カミナリは人が怖がるから余計に犬も怖いんだろうね。


さて、夏といえば蚊取り線香。

子供の頃は、テレビでは「キンチョーの夏、日本の夏」というCMのキャッチコピーをよく耳にしたものだ。

僕はそのCMの映像は実は素晴らしいと思っている。

なぜなら、あの映像には、見ているだけだと感じることのないはずの炎の風圧を、その燃え盛る音と共に感じることができたからだ。

見ているだけで、、ああ、熱い。。と。

めっきり蚊取り線香、、炊かなくなったなあ。。

あの香りが、懐かしいなあ。


最後に、台風被害が大きくならないことだけ祈ります。
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