加藤ヒロ 公式サイト

BLOG

2019.04.06

これぞプロ、という彼の話。

オフィルビルやホテルなど、歩道に面した駐車場の出入り口付近では、車が歩行者や自転車などと接触する交通事故が起きやすい場所だ。

なので、今では一般歩行者などが安全に通行できるように、駐車場内に出入りする車を誘導する警備員が配置されている場所も増えてきた。

僕は車で東京都内を移動するケースも多いので、駐車場に入る際に警備員の指示に従い、車道で待機する機会も多い。

何よりも歩行者の安全確保が優先されるべきなので、大抵の場合、車に乗ったまま10秒〜30秒くらいは待たされる。

その待たされている時に見ていると、歩行者の動きと警備員の誘導の息が合っていないと、誘導員が歩行者を制止するタイミングがずれたりして、制止したのにもかかわらず、駆け足で強引に横切ってしまう場面に出くわすこともある。

僕が歩行者の場合でも、警備員の仕切り方の歯切れの良し悪しで、通行のスムースさが随分影響を受けるような気がする。

警備員の腕の見せ所というか、これが警備員クオリティーの目安になる。

いろんな警備員を見てきた僕が、いつも惚れ惚れと感心してしまう誘導員がいる。

渋谷にある大きな高級ホテルの駐車場入り口で誘導している誘導員だ。

先日、僕がライブをやったセルリアンタワー。

国道246号から池尻方面に向かう坂を登る途中、左手にセルリアンタワーの車両用の入り口がある。

彼はいつもそこに立っている。

まず、見た目からして格好いい。

高級ホテルのイメージに相応しい、ヨーロッパのどこかの国の王室に仕える警備員のような青いユニフォームに身を包み、両手には清潔な白い手袋、そしてとても気品溢れる帽子をかぶっている。

そして、いつも仮面舞踏会に出席する時にかけるようなお洒落なメガネをしている。

明らかに工事現場やオフィスビルで見かける警備員とは一線を画している。

でも、理由はユニフォームだけではない。

同じコスチュームの他の誘導員とも全く印象が違うのだ。

長身でスリムな体格。。手足がとても長く、歩行者を制止する動きに無駄な動きは一切ない。

歩行者を待たせるタイミング、そして歩行者を制止したその瞬間を狙って車を駐車場へと誘導する身のこなしは、もはや芸術品と言っていい。

彼は歩行者を待たせる時に、片手を一寸の曲がりもなく天高く上に伸ばし、もう一方の長い手を真横に伸ばして歩行者を制止する。

すると、次の瞬間、その身をしなやかにくるりと翻し、待機している車に向かって天高く掲げた片方の手をグルグルと回転させる。

その手の動きに見とれていると、まるで運転者がアクセルを踏まなくても勝手に車が駐車場に吸い込まれていくのではないか、と錯覚するくらいにスムースに歩道を横切ってホテルスペースに入ることができる。

全てが的確でとても分かりやすい。

これぞ車を誘導するために生まれてきた、と言っていいくらい洗練されている。

これぞプロだ。

これこそがプロの仕事だと思う。

本物のプロフェッショナルは、こんな場所にもいるのだ。

渋谷にお越しの際には、ぜひ一度見て欲しい。

で、、彼がただのバイトだったりして。。

いや、もしそうだとすれば、かなりもったいない話だな。

正社員であって欲しいなあ。

そして、その身のこなしを、ぜひ日本中に広めて欲しいなあ。。
^
TOP