加藤ヒロ 公式サイト

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2019.04.28

新しい趣味。。

以前にもブログに書いたことがあるが、僕は活字を読むのが嫌いだ。

子供の頃から読書なるものを趣味として捉えたことは一度もない。

大人になっても新聞は見出ししか読まなかったし、書類も許されるならば要約された箇所だけを読むことを好んだ。

そんな僕がM&Aの契約を弁護士と一緒になって交渉し、度重なる修正版をレビューするという作業が、如何に苦痛であったか、、きっとお分かり頂けるであろう。

今にして思えば、よくやっていたと我ながら思う。

いや、よくやったと振り返る今を思えば、その仕事が長続きしなかったことに不思議はない。

まあ、、嫌なものは長続きはしない、、というシンプルな哲学だ。

ところで、僕は活字は嫌いだったけど、漫画となれば話は別だった。

子供の頃からコミック本は暇さえあれば読んでいたし、大学生時代の弄ぶくらいにあった時間を潰すことができたのも漫画のおかげだ。

そして、大人になってからも漫画雑誌をこよなく愛した時期が長かった。

ニューヨークで過ごした20歳代は、日本語を話すことはあっても読んだり書いたりする機会は殆どなかったので、いつも日本語に飢えていた。

だから、当時愛読していた「ビックコミックスピリッツ」の発売日ともなると、仕事終わりに早足で5番街近くの紀伊国屋まで歩いて買いに行き、待ちきれず帰りの地下鉄の中でワクワクしながら読んだものだ。

ニューヨークの紀伊国屋で売られてる漫画の週刊誌は、日本で売られている値段のおそらく倍以上したであろう。

当時の貧乏生活の中では相応の負担にはなったが、それが僕にとっては数少ない娯楽の一つだったのは間違く買うことに躊躇することはなかった。

30歳を前に日本に帰国してからは、他にもっと楽しい娯楽がいっぱいあったからか、いつのまにかあれだけ愛読していた漫画さえも読まなくなった。

雑誌も、新聞も、小説も読まない。

書類も、、出来るだけ読まない。。

僕はいつしか仕事で必要とされる最低限のレベルを維持する程度に、活字とは完全に距離を置いた人生を送ることになった。



そんな生活が20年近く続いただろうか。。

去年の春先に曲がぱったりと書けなくなった時に、プロデューサーの安藤さんから小説を読むことを勧められた。小説だけでなく映画や演劇、たくさんのアーティストのライブを観劇することも含めて、だ。

手っ取り早く始めることができたのが読書だった。

勧められた村上春樹のデビュー作「風の歌を聴け」から読み始めることにした。

「さらっと読めるよ」と言われたわずか160ページの小説本を読むことが、読書に慣れていない僕にとっては、長い長い坂道を少しずつ登っていくような、、決して楽ではない、どちらかと言えば苦痛を伴う作業に思えた。

地下鉄の窓ガラスに映るつり革につかまりながら単行本を読む自分の姿に違和感を覚えた。。

それは、昔の僕には考えられない光景だった。

何日要したかは覚えていないが、「風の歌を聴け」を読み終えた。。

とても心に残る作品だったので、その後は次から次へと村上春樹の単行本を買ってきては地下鉄や新幹線で読むようになった。

「1973年のピンボール」「羊をめぐる冒険(上)(下)」「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド(上)(下)」「ノルウェイの森(上)(下)」「ダンス・ダンス・ダンス(上)(下)」「国境の南、太陽の西」「ねじまき鳥クロニクル(第1〜3部)」「スプートニクの恋人」と、数えてみれば9作品15冊の単行本を読んだことになる。

読書好きの人には、大したことのない数かもしれないが、僕にとっては想像以上に沢山の本を読んだ気分だ。

「ねじまき鳥クロニクル」は、第1部から第3部までの三部作だが、第3部だけでも600ページもあった。

今にして思えば、「風の歌を聴け」の160ページを数週間もかけて読んだ自分が実に初々しい。

そして、今月から「海辺のカフカ」を読み始めた。

村上春樹以外には、レイモンド・チャンドラーの「さらば愛しき人よ」を読んだだけだ。

特に村上春樹の小説にこんなにハマるとは思いもしなかった。

ハルキストの方々からはたかだか一年くらい読んだくらいで、、と怒られるかもしれないけど、戦争時代の悲惨な状況の描写、人間の心の弱さや逞しさと言った心理を描いた繊細な表現、大人のドロドロとした人間関係といったものから、もっと大きな社会経済、政治的な問題提起や時空を超えた人々の存在意義など、普段考えることがないような事物について立体的に考えさせられることが、とても面白いと感じている。

なんというか、一冊読んだ後、しばらくの間、その小説から伝わるメッセージとその意味するところの本質を自分なりに捉えたくて、あれこれ答えを探している自分がいる。それが余韻というものなんだろう。

言ってみれば、そういう余韻を楽しむのが読書の面白いところだと思うようになったし、その余韻欲しさにページをめくり、最後まで読み切ってしまうのだと。。

まあ、今一緒にラジオをやっているのはBrian the Sunのベースのハルキだし、それ以外にも角川春樹さんや、昔阪神にいて西武に移籍した吉武春樹選手、テレビでよく見ていたハルキ・ホーガンと、ハルキという名前には親近感が元々あったからね。

まだまだ村上春樹の読んでいない作品はあるし、、他の作家の小説も少しずつ読んでいきたいと思う平成最後の春なのでした。。。

これはもう、、読書は僕にとって趣味と言っていいでしょう!

。。。。。

。。いや、ハルキ・ホーガン、、スルーしないでね。
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