加藤ヒロ 公式サイト

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2019.07.07

ザクセンの風〜その1〜

わずか数日前のことだが、随分と遠い昔のように感じる。

と、言いながら、シャツに袖を通す時に、ふわりと漂うあの部屋の匂いで、一瞬にしてその街並みを記憶の中に鮮明に蘇らせることができる。

とても不思議な感じだ。

梅雨前線が停滞する日本を抜け出し、訪れたのはドイツの東の端に位置するザクセン州の州都、ドレスデンという街。

この時期に、この5泊6日という期間で、それより長くても短くても実現しなかったであろう今回のドレスデンへの旅。

それを決めたのは5月のこと。

ドレスデンは、7年ほど前に義理の妹家族が移り住んで暮らす街。

高齢になった義理の父と一緒の旅。滅多に会えない孫との再会は、義理の父にとってもとても大切な思い出になったであろうと思う。



ミュンヘンで小型飛行機に乗り換える。

12時間を超える空の旅を経て現地の空港で手荷物を受け取り外に出たのが午後7時半過ぎ。

少し翳りのある夏の西日が照りつけ、まだ夕方の4時くらいに明るい。

その日、日中の気温が30度台半ばまで上昇したらしいが、夜になって気温も下がり、湿度も極端に低いので全く暑さを感じない。

気候はとても快適だ。

義理の妹家族の家に到着して、初日の夜からビールを沢山頂く。

空は10時を過ぎてまだ微かに薄暗く、ようやく闇に包まれ始める。

冬は逆に日照時間が極端に短いらしい。

到着早々のビールに気分を良くして、その日は就寝。。



翌朝、時差ボケを感じることなく起床。

そして、甥っ子を保育園に送ってから近所の森を散策。

この辺りは、大きな森に囲まれたエリア。

そういえば、飛行機の窓から見た風景も住宅地が大きな森に囲まれているという地形が目立った。

森の中は、日本では滅多に見ることのないくらい背の高い木々が生い茂り、鳥の鳴き声がその木々の枝が作る大きなトンネルにこだましている。

朝から足早に散歩をする人。のんびり散歩をする人。犬を連れて携帯電話で話しながら歩く人。自転車で走り抜ける人。。

森の中で散歩する犬は皆んなリードをしていない。

でも、ご主人から目を離すことなくピタリと後をついて歩く。

すれ違う僕の視線に合わせる事すらない。

どの犬もとても躾が出来ているようだ。

気持ちのいい天気に、気持ちのいい森の空気。

思わず深呼吸してみる。

森を抜けると数十年以上も前に建てられた住宅だろう。とても綺麗にメンテナンスされ、とても可愛らしい色に塗られた洋館が立ち並ぶ。

この辺りは高級住宅街らしい。

ヨーロッパに来たことを改めて実感する風景だ。

さて、この日は陶磁器で有名なマイセンという町に出かける予定。

僕たちは準備を済ませ、義理の弟が運転する車へと乗り込んだ。

(続く)









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