加藤ヒロ 公式サイト

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2019.10.27

新しい基軸

毎週のようにやって来る台風が、また大雨の被害を出した。

被害に遭われた方々が一日も早く通常の生活に戻れる日が来ることを願うばかりだが、「かつて経験したことがない」という言葉をここ数年で何度耳にしただろう。

そもそも異常気象という言葉が頻繁に使われるようになって久しいが、ここまで異常性が常態化した今、もはや異常気象という言葉も流石に使う人が減ってきたように思う。

電柱が重なって倒れている映像などを見ると、そろそろ電線も地中に埋蔵することを真剣に考えた方がいい。

未来の教科書には、僕たちが生きるこの時代を、「いよいよ地球温暖化による地球規模の変化が人間の日常生活に多大な影響を及ぼし始めた時期」として紹介するのかも知れない。

この先、僕たちは自然災害に対する対応策や考え方を根本的に変えていかなければならない時代を迎えることになりそうだ。

そもそも、異常気象による災害対策にとどまらず、物事の考え方というか、判断基準というか、従来の常識を進化させた新しい基軸を持たなければならない時期が来ているような気がしてならない。

それは、「民主主義」という政治のあり方もそうだし、僕が長年仕事で関わってきたコーポレイト・ファイナンスの世界、いわゆる資本主義経済における「株主利益の最大化の原則」という考え方さえも、本当にそれが世の中を正しい方向に導くものなのか、という漠然とした疑念を抱くことだってある。

地球上には、成熟した高度な経済システムが定着した先進国もあれば、まだまだ発展途上の国々も存在する。

世界中で議論されている環境問題などは、まさに経済成長を最優先する考え方にしがみついている限り、万人を幸せにしてくれるようには到底思えない。

そう感じているのは、僕だけではないはずだ。

僕がM&Aのアドバイザーとして第一線から退いたことにも、この手の違和感が何か影響しているのかも知れない。

世界は急には変わらないなら、変われる所から変わっていけばいい。

日本でも働き方改革について議論されて久しいが、働き方のシステムだけではなく、仕事に対する人々の考え方というか、、人生観そのものに新しい基軸が必要になっているように感じる。

先日、うちの会社を数年前に辞めた友人と会った。

聞けば、再び転職して新しい会社に勤めているという。

彼ももう40歳代半ばになったそうだ。

「色々ありまして。。」と照れくさそうに頭を掻く友人に「何も恥ずかしがることはない。」と僕は言った。

これは全くの私見だが、人はある程度の年齢に達したら、真剣に「自分がこの世で全うすべき使命が何であるか」ということを考えてもいいのではないかと思う。

分かりやすくいえば、その対局にあるのは「ただただストレスを溜めるだけの職場環境で、己の意思を無視して我慢し続ける」ということ。

ある意味、終身雇用制度の下では定年まで許されなかったことかも知れない。

ところが、会社に定年まで所属していれば何とかなった時代が終わった今、定年のはるか手前の段階でそういう選択が許される時代がきた、とプラスに考えるべきだろう。

「いやいや、いきなり40歳半ばになって自分の使命感とか、生き方とかを変えるなんて無理でしょう。」という人も多いかも知れないけど、僕はそうは思わない。

若い頃からそういう事に対する意識を磨いておけばいいということだ。

そう、僕らは人生100年時代の半分を迎える年齢になるけど、80歳とか90歳の人から見ればまだまだ十分に若いはずだ。

会社も暮らしも人生も、、、誰かが責任を持って守ってくれた時代は終わろうとしている。

それは、角度を変えれば、絶対的な一つの答えに縛られていろんな軋轢を生み出す窮屈さを感じながら生きる時代の終焉とも言える。

いつの日か人々にとって幸せを手にするための本当の意味で自由な選択が認められる世界が実現できればいいのに思う。

理想論かも知れないけど、、従来の考え方に縛られることのない新しい発想、ルール、捉え方、、、音楽やART(芸術)にはそういうヒントが沢山秘められている気がする。
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