春が来た、、ようです。
数日前のこと。。
閉め切られたカーテンの隙間からは、白み始めた外の気配が窺える。
春近しとはいえ、外はまだ凛とした空気が張り詰めている。
布団の中にいる僕の意識は、深夜の熟睡状態から徐々に水面近くへと浮上し、浅い眠りの中でノンレム睡眠とレム睡眠を何度か繰り返す。
眠りと目覚めの間を彷徨いながら、なんとか均衡を保ったまま、、再び現実社会へと繋がる扉に手をかけようとしている。
意識は、、一歩一歩着実に朝の覚醒へと近づいている。
ふと無意識に打った寝返りの瞬間、鼻がムズムズ。。。
その直後、鼻の奥から脳天にかけて、とある感触が走る。
そう、こみ上げるクシャミの感覚。
ダメだ、、、これは我慢できそうもない。
鼻から吸い込む空気の濃度が一気に増した瞬間、僕の意識は覚醒へと大きく前進する。
そして、その吸い込んだ空気を一気に吐き出す。
「ハクション!」
ああ、、たった一回のクシャミで、余韻を味わうはずの朝の春眠から完全に目覚めて、、現実社会に繋がる扉を開けてしまったようだ。。。
あの夢の続きをもうちょっと見ていたかったのに。。。
「ハクション!」
これは、、花粉だな。
ありがたいことに僕は杉花粉にはそれほど反応はしない。
反応するのは、どちらかと言えばヒノキ。
それにシラカンバ。
こりゃ、いよいよヒノキ花粉も飛び始めたか。。
でも、今の僕の花粉の症状はこの程度で済むからまだマシだ。
以前は、春先から夏が始まる頃までは毎日のように薬を服用しなければ、まともに1日を過ごせないくらい酷かった。
数年前に食事の内容を大きく見直してから、花粉症をはじめあらゆるアレルギー症状が劇的に改善した。
これはありがたい。
「昔は酷かったけど、今はもう花粉症は治ったんだよ。」
と自慢げに言う。
そんな時に限って、その翌日くらいに思い出したように花粉症の症状が酷くなる。
神様なのか、仏様なのか、はたまたお天道様なのか、、空の上から見ていて何かを警告してくれているのかも知れない。
「花粉症、、治ったなんて思うな」と。
だから今は軽々しく「花粉症が治った」なんて言わないようにしている。
きっと一歩間違えば、また症状が酷くなるような、、危うい均衡を保っている状態に過ぎないのだろう。
食事を変えてアレルギーが短期間で改善したとすれば、油断して暴飲暴食を少し繰り返しただけで花粉症なんて再び重症化するに違いない。
自分の身に降り掛かる全ての物事には、きっと何らかの意味がある。
それは神様なのか仏様なのか、、はたまたお天道様なのか、、誰かが企図したものなのかどうかは分からない。
でも、起きる事象についての意味を考えることは、自分への戒めを込めてとても大切なことなんだろうと思う今日この頃だ。
花粉症が酷くなくても、、季節はもう春。。。
9年前もそうだったように、、心から笑顔になれる春ではないけど。
とにかく今は、、耐えるしかないんだろう。。
来るべき笑顔になれる春を待ちわびながら。
そう考えれば、、今の世の中で起きている事象は人類に対して何の警告の意味を持つのだろう。。
その警告に真摯に耳を傾け、自らを見つめ直すことが出来れば、きっと事物はいい方向へと進んでいくはず。
耐えるべき時は、耐えるしかない。
そんな事を考えながら、、一人篭り場に閉じこもって曲を書いて過ごす、、2020年の春なのです。