加藤ヒロ 公式サイト

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2020.08.16

クジラの死骸

先日、真鶴岬の沖合およそ6kmあたりに漂流する約10メートルのクジラの死骸が発見された。

下田海上保安部交通課によれば、今朝になってクジラの死骸は初島沖の相模湾内を依然として漂流しているらしい。

広い海ではよくある話なのかも知れないが、10メートルものクジラの死骸が相模湾近くの海域を漂流するなんてことは、少なくとも僕は聞いたことがない。

この暑さで、海水温も異常な温度になったからなのか。

熱風吹き荒れる日本列島。

これだけ暑いと人は冷静な判断能力を維持することが難しくなるのではないかと心配する。

気温が40度に達しても、みんな口を揃えて「こんな気温、異常だよね。」と言う。

毎年のように豪雨災害を起きても、「最近の天気、どうにかしてるよね。」と言う。

地震が起きても、新型コロナウイルスが蔓延しても、「ほんと、おかしいよね。怖いよね。」と言いながらも、その恐ろしい現実を受け入れているように見える。

受け入れざるを得ないからとも言える。

「そんなこと、ありえないし。」と思っていた悲観的な未来の中に、自分たちの現実の姿がいつの間にか映し出されていたとしても、きっと大変なのは一時期だけで、そのうち時間が解決してくれると思っているのかも知れない。

その心理的救済を、交換条件として。

僕は小学3年生の秋に、その前に住んでいた岡山から広島の小学校に転校した。

それ以降、学校ではずっと他府県の小学校よりも熱心な戦争教育を受けた。

昨日の終戦記念日。

原爆投下の記念日と共に、とても重要な日だと学校で教わった。

「ほんと、戦争なんてありえないし。」と誰もが楽観視していた悲観的な未来の中に、自分たちの現実の姿が映しだされていないことを祈る。

自分の身に降りかからない限り、わからないことが多すぎるのかも知れない。

あのクジラも、まさか自分が死んだあと、相模湾を漂うことになろうとも思わなかっただろうに。

どんな暑さの中でも、冷静な判断力だけは忘れたくはないものだ。
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