加藤ヒロ 公式サイト

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2020.08.26

「なんじゃ、こりゃ〜!」

来年公開予定の「渋谷行進曲」という映画の撮影が始まった。

いわゆる”クランクイン"というやつだ。

映画、、そう”シネマ”っていうだけで響きがいいのに、さらにその”クランクイン”って言葉もまた格好いい。

僕は物語の舞台となる劇場の支配人役。

もちろん映画は初挑戦だが、今までの舞台などでも経験したことのないくらい結構な出番がある。

当然、セリフも、、だ。

長いセリフは覚えるのも大変だし、覚えたからと言って本番でスラスラと出てくるものでもない。

「慣れですよ。」と人から言われるものの、世の役者さんが本番までに稽古などで大変な努力をされていることがとてもよくわかる。

ただでさえ歌詞が飛びがちだった僕にとって、撮影本番で長いセリフが飛ばないわけがない。

そして、一度とちると伝染病のように連続してとちってしまい、それが共演している女優さんにも感染るという負の連鎖が。。。

まったく、、この危機を監督と撮影スタッフの温かい対応で何とか乗り切る。

セリフは長ければ長いほど難しいと思われがちだが、実は短いセリフの方が難易度が高かったりする。

あるシーンにて。

想定もしていなかった場面に遭遇した僕が「なんじゃ、こりゃ〜。」と言葉を発するシーン。

本番までに何度も心の中で反復練習してイメージを膨らませる。

「なんじゃ、こりゃ。なんじゃ、こりゃ。なんじゃ、こりゃ。・・」

あの松田優作の「なんじゃ、コリャー!」とはちょっと違うよな。。。

あれは自分の血を見ての「なんじゃ、コリャー!」だから。

今回は、ちょっと怒った感じの混じった「なんじゃ、こりゃ〜。」だからな。

よし、これで完璧、と本番へ。。

カメラが回る。

「はい、じゃあ本番。よーい、はい!」と監督の声。

そこへ僕が登場して、あれだけ練習した「なんじゃ〜、こりゃ!」を披露。

ところが、妙に力んでしまい、イメージしていた「なんじゃ〜、こりゃ!」とは違う・・。

言うなれば、いかりや長介の「だめだ、こりゃ!」みたいな「なんじゃ〜、こりゃ!」になってしまった。

息を潜めて撮影を見守る他の共演者達も、妙な雰囲気を察してか覗きにゾロゾロと出てくる。。

そして、現場は爆笑の渦に。。

監督の演技指導を受けてから、気を取り直してもう一度本番。

「よーい、はい。」

颯爽と登場し、今度こそ!

「なんじゃ、こりゃ!」

「カーット!!」

しまった。。。

今度は、志村けんの「何だって?」みたいな「なんだ、こりゃ!」になってしまった。

またも息を潜めていた共演者達が、「一体どうしたんだ?」とばかりにゾロゾロと出てくる。

またまた気を取り直して、今度こそ。

「なんだ、こりゃ〜?」

「はい、OK!」

まあ、80点の出来かな。。。なんちゃって。

という感じで無事に撮影は進んで、今日で僕も”クランクアップ”。

この言葉もまた、イケてるね。
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