GW明けの週末。
スタート地点は、標高850メートルにあるバス乗り場。
そこから30分かけて標高1662メートルのロープウェイ乗り場まで移動する。
そして、そこからわずか7分半のロープウェイの空の旅は、僕たちを標高2612メートルの世界へと一気に連れて行ってくれた。
ロープウェイを降りると、目の前には余りにも雄大すぎる山々が広がる。
そして、その山々は、麓ではとうに春がやってきて、、もうすぐ夏も近いというのに、未だに白いシャーベット状の雪を身にまとい、どっかりと何食わぬ顔をして居座っている。
ここは、、駒ヶ岳にある千畳敷カールだ。
カールとは、氷河期に氷で削られて出来たお椀型の地形を言う。
まるで畳を千枚くらい敷き詰められる程の広さのカールということで、千畳敷カールと名付けられたそうだ。
僕に言わせれば、、畳千枚じゃあきかないと思うけど。
それにしても、広がる山々は、少し手を伸ばせば触れることができると勘違いしてしまいそうなくらい鮮明で、群青色の山肌を所々に見せながら、その稜線を綺麗に雪の白さが形取っている。
そして、その雪の白さは、その山の向こう側に広がる空の澄んだ青との境界線を綺麗なまでに縁取っていた。
まるで絵の具で描いた絵を見ているような感覚に陥る。
自然は、、、雄大だ。。
明らかに、、太刀打ちできない。。
見下ろすと、カールの中でまだまだふんだんに残る雪の上をスキーヤーが気持ちよさそうに滑っている。
そのスキーヤーの姿は、すぐ目の前を滑っているように見えるのに、実際に目を凝らしてみると、、スキーヤーの姿は遥か遠くにいて、、ほんの米粒程度にしか見えない。。
結果としてその錯覚に、改めて山々の雄大さを思い知らされた感じだ。
こんな大自然の中では、人間なんてちっぽけなものだし、、きっと人ひとりの命もあっという間に、、まるで何事もなかったかのように飲み込んでしまうんだろう。
エベレストは、、こんなものの比ではないだろう。。
大自然を前に、心が動いて、、何か曲が書けるようなヒントでもあるかと思ってたけど、どうやらそれも期待ハズレに終わったようで。。。
僕の曲作りの心の中にも、氷河期の氷で削られたようなお椀状のくぼみがあって、そこにはまだ溶けることなく残っている冬に降り積もった雪に覆われているのかも。。
雪も、、カッチカチだな。。
もう夏なのに。。
そろそろ、、かき氷にしてやろうか、と思う今日この頃である。。
