今年最初に書き下ろした「幸せなRadio」という曲のレコーディング。
駿汰君のドラムとまさや君のベースを録り終えて、夕方から僕のギターと歌を録り始める。
ギターは何とか録り終えたものの、この日は今一つ歌の調子が上がらない。
気分転換を兼ねてメンバーと一緒に夕食を外で取り、スタジオに戻ってきてからは環(たま)ちゃんのグランドピアノ。
いい感じでピアノを録り終え、残すは僕の歌だけ。
密閉された地下のスタジオ空間。
僕はヘッドフォンを耳に当て、一人マイクスタンドを前に悪戦苦闘を繰り返す。
何とか歌も録り終え、日付が変わる前に家路につく。
翌日は4時起きで名古屋に車移動しなければいけないので、早く寝なければ、、とお風呂に入り速攻で就寝。
早朝の目覚めは、前日のレコーディングの疲労が抜けない感が満載で体が重い。
まだ眠い身体に鞭打って新東名を西へと走らせる。
静岡SAで最初の休憩。
すると大阪に住む高校時代の同級生からLINEが。
なんで??滅多に連絡なんてない友達からLINE??
「コロナ大丈夫か?もう歳なんだから無理するなよ。」と。
なんで??どっかで今の僕を見ているのか??
午前9時前に名古屋に到着。
午前中の用事を済ませて、お昼からZIP-FMにてラジオ収録。
この日は通常収録に加えて「ヒロとハカセの温故知新カバー研究所」企画のカバー曲も収録。
疲労に寝不足が重なり、何とか最後まで走りきった感じ。。
出来栄えは、、聞かないでってところ。
ちゃんと練習してからYou Tubeにアップすることとしよう。
ラジオ収録を終えてからその足で大阪へ。
途中、新名神の菰野ICの側、湯の山近くの温泉施設「アクアイグノス」に立ち寄る。
敷地内には温泉のほか、スイーツや石窯パン、イタリアンに割烹料理店、さらには宿泊施設も。
服を脱ぎ捨て、ヘロヘロの僕は沈み込むように露天風呂に首まで浸かる。
湯船の湯気を取り払うように、微かに春の匂いが混ざった乾いた風が吹き抜ける。
すると露天の前に植栽された小さな竹林が風に揺れる。
「いいか。世の中っていうのは思う通りにはいかないんだ。時には行く手を阻む風も吹く。そんな時はこうやって風を凌ぐんだ。根元から、そう、柔らかくしなるように、風に身を委ねるように揺れていればいい。大事なのは、、風に負けて折れないことだ。」
細いながらも青く伸びた竹が揺れながら僕に語りかける。
「簡単にはいかない。何事も。だからそれを存分に楽しめばいい。簡単に上手くいってしまえば、楽しみさえも直ぐに消え去ってしまう。」
風呂上がり。
見上げた東の空には、ロケットが遥か彼方に飛んで行った跡のような雲が。
ああ、僕もいつの日か一気に遠くまで飛んでいきたい。
でも、簡単には上手くいかない。
だから面白い。
「幸せなRadio」。
ZIP-FM「MIDNIGHT RUNWAY」の新オープニングテーマソングとして流れる頃には、平穏な日々が戻っていることを祈る。
