人の影響を受けやすく、最初から自分という確固たるものを持っている訳ではない。
どちらかと言えば、先頭を歩くよりも誰かの後をついていくタイプだと思う。
それは決して悪いことを象徴している訳ではない。
いいように解釈すれば、決め打ちした結論に向かって突き進むよりも、色んな人の意見を取り入れ、顔色を伺い、そして様々な試行錯誤を繰り返すという寄り道をしながら、最終的には誰も動かすことのできない自分なりの正解にたどり着くという生き方をしている、とも表現できる。
そんな性格だからか、昔から歌を歌う時にハモることが極めて苦手だ。
もちろん、最終的に行き着くハモリの音程は、一度モノにしてしまえば滅多に狂うことはない。
ところが、カラオケボックスで誰かが歌っている隣でいきなりサビでハモリだす、なんていう曲芸など、僕には絶対にできない。
人の影響を受けやすい性格のためか、ハモろうとしても主旋律にすぐに引っ張られる。
これはマズいと主旋律と一定の距離を置いて音程を辿ろうとしても、美しく3度上の音程を奏でることができない。
時々、いきなりマイクを手にするなり事ある毎に人の曲を綺麗にハモる人を見かけるが、僕から見ればその人は天才だ。
そんな僕でも、いざ自分の曲のレコーディングともなれば、最後の最後に「じゃあ、あとはコーラスですね。」というサウンド・ディレクターのKOSENさんの一言を合図に、苦手なハモリの作業に取り掛からなければならない。
避けては通れないのだ。
映画「渋谷行進曲」の主題歌として書き下ろした「赤い薔薇」のレコーディング。
ボーカル・ブースに入りヘッドフォンをつけ、まずはオケに合わせてハモリのガイドを聴いてみる。
・・・何これ?めっちゃ難しいじゃん。。。
「じゃあ、加藤さん、行ってみましょうか。」
いやいや、ちょっと待って。まだ、、無理だし。。。
♪ ラララ〜※×※× ♪
「あれ?違うな。。。」
♪ ラララ〜□※×◆ ♪
「うーん、まだちょっと違うな。。」
♪ ラララ〜※□●※× ♪
「あれ?完全におかしくなって来た。。」
KOSENさんによれば、上がるように聞こえるけど、そこは上がらないで半音低いピッチが正解とのこと。
埒が明かないと思ったのか、ボーカル・ブースに鍵盤ハモニカが登場〜!!
鍵盤はいいね。
ビオジュアルで音の上げ下げが分かるし。
しかし、ボーカル・ブースでマイクの前に立って鍵盤ハモニカ片手に歌入れしているシンガーなんて滅多にいないんじゃない?
まあ、でも色んな試行錯誤を繰り返して自分なりの正解にたどり着く生き方をする僕なんだから、仕方ないよな。。
そう、それはそれでカッコいい生き方。。
で、、ハモニカを持って笑顔でポーズ。
って、、、どぶろっくの歌声が聞こえて来そう。。
♪ それって単純に音感がないだけなんじゃないの〜???♪
もちろん、ハモりでね。。
